なぜポージサッカースクールを立ち上げたのか?
ポージサッカースクール(以下ポージSS)は2023年4月に東広島で開校しました。
ポージSSは発達障がいと診断されているお子様、いわゆるグレーゾーンと言われるお子様、身体機能に障がいがあるけども自分で歩くことができるお子様を対象にしたサッカースクールです。
私は理学療法士として20年以上、サッカー指導者として10年以上と経験年数の割には成長が遅く未熟なコーチなのですが、ありがたい事にこれまで1000人以上の子供たちと接する機会を与えてもらいました。
その中には
・話を聞くのが苦手な子、話すことが苦手な子
・感情のコントロールが苦手な子
・忘れ物が多すぎる子
・相手の気持ちが上手く理解できない子
・力の加減が苦手な子
・真っすぐ立つのが苦手な子
でもサッカーが好きな子がたくさんいました。
発達に凸凹がある子の中には体を動かすことがぎこちなく技術の習得に時間がかかる子がいます。
サッカーを競技として全国大会や県大会を目標にするチームなどでは、仲間の成長速度についていくことが難しくできないことの方が多くなってしまい、サッカーを続けることが難しくなることがよくあります。
話を聞くのが苦手な子、話すことが苦手な子、忘れ物が多い、真っすぐ立つのが苦手
これらは「やる気がない」と捉えられることも多く
コーチや仲間から注意を受けることが多くなり、精神的にサッカーを続けることが難しくなることがあります。
「サッカーをやってみたい!」そんな気持ちが芽生えて、自分から意欲的に始めたサッカーなのに続けられない
サッカーが嫌いになった訳ではないのにサッカーから離れてしまう
非常に悲しいことですが、こんな状況を私自身が目の前に作っておきながら何もせずに過ごしてきました。
そんな時、ポージSSを始める大きなきっかけとなった選手が目の前に現れました
私がボランティアで行っている保育園での巡回サッカー教室で、いつも教室には参加せず園庭の隅っこでこちらを眺めてる子がいました。
その子はサッカー教室に参加している子どもたちよりも真剣な眼差しで、1時間ずっと目を離すことなくサッカー教室に注目してくれました。
私が気づいて「一緒にやろう」と誘うと離れていってしまう、でもすぐに見える場所に戻ってきて熱い視線を送ってくれる、しばらくはそれを繰り返していました。
3ヶ月ほどしてやっとボールを手にしてくれたその子は恥ずかしそうに、でも嬉しそうにサッカー教室に参加してくれました。
言葉は苦手だけど表情で「楽しい」という気持ちをたくさん私に伝えてくれました。
半年後その子は保育園の人気ものになって、たくさんのお友達と園庭でサッカーをして遊べるようになり、今も元気にサッカーを続けてくれています。
話すことも聞くことも苦手、みんなと一緒に行動するのが苦手だった子が、サッカーをきっかけにリーダーシップまでとれるようになっていく姿は嬉しいを通り越して衝撃的でした
スポーツが子供たちの生活に光を照らすことがあることは経験で感じていましたが、これほどはっきりと感じたことはありませんでした。
「できる」という自信が自分を表現するきっかけになる、自分を表現できればたくさんの人と繋がれる
たかがサッカーで子供がこんなにもいい顔になるなら、サッカーを道具として使えばいい
こんな姿をもっと見たい!その為の場所を作ろうと思い立ち上げたのがポージサッカースクールです。
つづく
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